家族☆ごっこ★

「私がこんなんだから 子供のあんたも巻き込んで
ごめんねって…謝られた。
そんときはもう 俺はかあさんの言葉を聞くのも
イヤだったから…勝手にしてくれって感じで…
勉強もしないで遊んでばっかいたし…人として
最低なことも好んでやってきた。
かあさんは男に捨てられて 俺にも捨てられて ボロボロに
なってたんだけどさ……
俺だって必死だった。俺っていう人間の生きる意味を
必死に模索してた。誰かに愛されたいってさ。」

「光は今 幸せ?」

光は私を振り返って笑った。


「幸せだよ。 マジで。琴子がいて信之介がいて
一人じゃない孤独じゃない…お金も住むとこもある。
幸せすぎて怖いくらいだよ。」

「よかった。」

「琴子は?」

「私だって幸せだよ。
一人じゃないって…誰かが私のこと心配してくれるって…
そう思うだけで幸せだよ。」

ほんと…私は幸せだよ。

大好きな人と 家族ごっこしてる                                                                                                                                                   
少なくても今は 私は一人じゃないって
そう思えるのが嬉しい。


「光・・・うちがいるよ。」

光の背中に抱きついて 抱きしめる。

「うちがいるよ。」


愛してるよ・・・・・。


声に出さない声でそうつぶやいた。