家族☆ごっこ★

「光 光ってば……。」

引きずられるように小走りになった私は
思わず名前を呼んだ。

「もう…手離して…。誰かにみられたらヤバいでしょ。」

「いい。」

そういうと立ち止って私を振り返る。

「大丈夫か?」

「え?大丈夫……って…。」
だいじょうばない……
光と輝紗貴のこと知ってしまって……。

「ショックだった…。」

私がポツリと言うと

光は私を抱きしめた。


「え・・・・・。光 ヤバいよ・・・・。」

こんな中庭で……


「雪の山が隠してくれるから……。」

降り積もった雪が壁のようになっていて
たしかに死角にはなるけど…。

「だからアイツはやめとけって…言ったろ。
琴子が傷つくのは見たくなかった。」

光は勘違いしてると思った。

「会わないって約束しただろ?」

怒ってる・・・・。

「それでも会いたかったって…仕方ないよな。」

光の口調が優しくなる。