家族☆ごっこ★

私がビックリしてると

「帰るぞ。」と光が言った。

先輩が　え？という顔をして私と光を
見比べている。

「帰るぞって　何？」

先輩は不思議そうに言った。

「あ・・・・。」

一瞬　言ってしまったことに気がついた光だったけど


「琴子…行くぞ。」ともう一度言った。

「ちょっと俺　混乱してんだけどさ
おまえたち…どういう関係？」

「このさいだから　言っとくけど
琴子を巻き込むなよ。　他の女はいいとして…
琴子だけは絶対ダメだ。許さないからな。」

「ちょっと待ってよ。
何？どういう関係なんだって。」

「琴子は俺の大切な人だってこと。」

「マジ？うそ・・・・・。」

「俺は俺の大切な人を守るからさ
おまえは輝紗貴を抱きしめてやれよ。
あいつだっておまえのこと…好きなんだぞ。
だから俺は　身を引いた。
一緒にいれば　輝紗貴がどんだけおまえを想ってるか
腹立つくらいわかる。
なのにおまえら鈍感野郎たちだから
とにかく…輝紗貴にはもう会わないからな。
あとはおまえがなんとかしろ。」

光はそう言うと
私の手をつかんで

「帰るぞ。」と歩きだす。

「輝紗貴によろしく伝えてください。」

唖然とする先輩にそう挨拶する余裕しかなかった。