「そんな女は無理って言われたけどなんとか
頼み込んで 輝紗貴の想いを叶えてやれて…嬉しかった。
あいつ病気ばっかして…おまけに
家でも疫病神扱いされたり…おばさんの男に襲われそうになったり
ほんとに可哀そうな奴だったんだ。
俺が いとこじゃなかったら 絶対守ってやりたいって
とこなんだけど…残念ながら 親族としてしか
輝紗貴を守ってやれなくて……。
最初は真面目に付き合ってくれてたけど…
そのうちに光が距離を置くようになって……
『輝紗貴は俺には…無理だ。』って言われたけど
光になんとかなんとか悲しませないでくれって…
頼んでたんだけど
とうとうあいつも母親の結婚で 引越すことになったのを
きっかけに…輝紗貴と距離を置きたいって言いだしたんだ。
傷つく輝紗貴を想像するだけで
ゾッとしたから…光には何も言わないで
姿を消してもらった・・・・・。
無理だなんて言われたら…可哀そうだろ?」


「先輩は…輝紗貴が好きなんですか?」

思わずそう聞いてしまった。

「何 何言ってんだよ。俺だって女は一杯いるからね。
輝紗貴は妹みたいなもんだよ。
大切だけどね・・・・・。」


「めっちゃ優しい顔してる……。」

「からかうなよ。俺は兄ちゃんなんだ。
だから妹が幸せならそれでいいんだ。」


痛いほど伝わってくる。
チャラ男の正体が・・・・・・・。


だから光 やめろって言ったの?
先輩には好きな人がいるって…知っていたから。

先輩がチャラ男を演じてるってことが
なんだか見えてきた・・・・・。