家族☆ごっこ★

いつしか外は猛吹雪になっていた。

「うわ…やば…こんなことになってた。」

輝紗貴は不安気な顔をしていた。

「大丈夫よ。送ってあげるから。」

「ほんと?よかった…。綺麗な雪はいいんだけど
こんな怖い天気は初めてみた。」


「うんたまにこういうのあるよ。」

「まずは…ここから地下鉄まで行くしかない。」

「タクシー呼ぶよ。大丈夫。」

受付で電話してみたら タクシー待ち
一時間とか言ってる。

天気が急激に悪くなったってレジの人が言ってた。

「困ったね…。地下鉄まで行けたら
大丈夫なんだけど…頑張れる?ちゃんと
手つないであげるから。」

「うん。ここちゃん…お願いね。」


私は輝紗貴にコートのフードをかぶせてマフラーを
ぎっちりと縛った。

「行くよ。」

「うん。」

細い折れそうな指……柔らかで……


「しっかりしなくちゃ……。」

外は真っ白……。

「ひゃぁ~~~~~あ~~。」

息もできないくらいのひどい吹雪だった。