それから歌を歌って 楽しい時間を過ごした。

「また 会えるかな。」

輝紗貴がポツリと言った。

「え?何?会えるかなとか…やだよ そんなこと言うの。」

「ごめんごめん 楽しくてここちゃんと
一緒にいると…入院するから…向こうならなかなか
来られないでしょ…。」

「そっか…。退院したらまた来たらいいよ。
待ってるから絶対に忘れないし。」

「よかった~~~。めっちゃ嬉しい。
私ねカラオケ友達と来たのも初めてなんだよ。」

「私だって最近だよ。」

「友達がいないから・・・・。
淳くんとはたまに来るんだけどね。」

「私なんてつい二カ月前 生まれて初めだよ。」

「そうよかった。ずっと仲良くしてね。」

輝紗貴が抱きついてきた。

「もちろんだよ。」私は輝紗貴のいい香りに包まれた。

「ね?輝紗貴の香水…いい香りだね。
私 好き この香り……。何て言うの?」

「ほんと嬉しい。実は 彼の匂いなの……。」

「え?そうなの?」


光と同じ香り……。

「いい香りだね。」

「うん。これつけたら彼と一緒にいるような気がして。
やっと見つけたんだ。同じ匂い…。
大変だったよ。鼻麻痺して…やっとやっと
見つけたから…ごめんね これは教えられない。
願かけしてるの。」

「そっかぁ・・・・。」

今度光に聞いてみよう。