「おかえり。」

光に声をかけた。

「ただいま。」

信之介を抱き上げて

「今日は歩いたか?」といった。

「まだみたいだよ。大野さんも時間の問題って言ってたけど
今日はまだだよ。楽しみだね。」

「その瞬間 絶対見たいから 俺がいるとき歩けよ。」

そうだよね
信之介の最初の一歩は 私も見たい。

「ごはん用意していい?」

光が信之介を床において キッチンに入ってきた。


お皿をとろうとして伸ばした私の手をいきなりつかんだ。

「ん?何?」

そのまま壁に押し付けられる。

「痛いよ 何?」

光の顔はいつもの顔じゃない。

「俺 言ったよね。先輩に近づくなって。」

「え?別に…そんなこと光に言われたくないんだけど。」


なんだかとてもムカついて私は
光の手を払おうとしたけど

「先輩に近づくな。」

「なんでよ。」

「なんででもだ。いいから俺の言うこと聞けよ。」

別人の光がそこにはいる。