「葉山はどーした」 5限目の授業開始のとき、先生は葉山君がいないことに気づいた。 そーいえば、いない……。 「昼休み、屋上に行くのを見ました」 「あぁ。そーいえば、アイツ、屋上が好きなんだっけな。……桐谷」 「は、はい」 い、イヤな予感……。 先生は私の予感を当てるように、ニヤッと笑った。 ていうか、先生。 ニヤッじゃないでしょ。 生徒をなんだと思ってるの? って、そーいえば、この先生……Sだった……。 それを思い出した途端、どっからか冷や汗が流れた。