隣の席のオオカミ!【完】

「……そうか」

会長は一言、そう言った。


会長は私を見つめて、ただ黙る。


『……お時間となりましたぁ』


こんな雰囲気に、とびっきり明るい声が聞こえた。

ガチャリッと、カギの開く音が部屋中に響いた。


「じゃあ、行くか」

「え? あっ、はい」

会長はすぐに立ち上がって、この場を後にした。


「あ、あの! 会長」

「健」

「あっ……」

会長と言って、すぐに振り向かれた。


「た、健先輩! なんで、あんなこと、訊いたんですか?」

「は? 何、言ってるんだ?」

会長は驚いた顔をしている。