隣の席のオオカミ!【完】

「……はい?」

ドキドキすること……って?


私が疑問に思っていることがわかったのか、会長は顔を近づけてきた。


「えっ、あ、あの! 会長っ……」

「会長じゃない。健だ」

「……っ、た、健先輩っ……!」

会長の名前を呼ぶと、会長がキスしてきた。


「……っ」

息ができない。


こんなキス、葉山君にしか、されたことなかったのに……。


「……キス、下手くそなんだな」

離れて、開口一番にそう言う。


会長だって、彼女がいたことないくせに……。