隣の席のオオカミ!【完】

 ──気まずい。


さっきから、会長は横になって目を閉じたままだし。


寝息は聞こえないから、寝てないんだよね。


「……桐谷」

「はい?」

やっと、会長が口を開けた。


「密室で2人っきりなんだな。俺ら」

「……えっ?」

会長が低い声で言う。


そしてしばらくしてから、会長は起き上がった。


「多分、あと20分強はある」

「だ、だから。なんですか?」

と言うと、会長が私のすぐそばに来る。


えっ、何?

このムダな近距離は!


「あ、あの」

「俺とドキドキすること、……してみるか?」