隣の席のオオカミ!【完】

「ダ、ダメだよ! 騒ぎ起こしたら……!」

私は葉山君の腕にしがみついた。


「お願い……。今は、そばにいて……」

 ──怖い。


今、葉山君が学校からいなくなったら、私は生徒会長に言い寄られる。

もしかしたら、葉山君を忘れさせようとするかもしれない……。


「……。悪かったな、感情的になって」

葉山君は冷静になったのか、その場に座り込んだ。


「大丈夫だ。アイツにはもう、触れさせねェから……」

そう言って、葉山君は抱きしめてくれた。


私は、葉山君の腕の中でいっぱい泣いた──。