隣の席のオオカミ!【完】

葉山君は座り込んで、相手の髪をつかんで、持ち上げる。


「テメェみてェなクソヤローに触らせっかよ」

「っ……」

そして手を放して、葉山君は立ち上がった。


「……相変わらずなのな。トドメを刺さねェのは」

男の子はゆっくり起き上がり、ふらふらになりながらも立つ。


葉山君は男の子を見つめる。


「まァな。おまけに、女もいるわけだし」

葉山君はそれだけ言うと、私に向かってくる。


「ひとまず、近くの公園に行くぞ」

私の腕を引っぱって、西高を後にした。