「また、アイツはサボリか……」

1学期が始まって、1週間。


先生は葉山君の態度に悩んでいた。


「桐谷」

「はい?」

「……行ってこい」

もう、私が葉山君を連れ戻すことが日課になっていた。


そして、いつも屋上に行って、葉山君を説得。


「なんで、葉山君は授業に出ないの?」

「……ダリィ。」

葉山君は青空を見上げながら、一言。


「桐谷さんがヤらせてくれんなら、行ってやってもいいぜ?」

「いつも同じ答えしか言わないよ」

あの日からずっと、こんな調子。


私も、まともに授業に出たいよ……。