そんな話をしてたら、いつの間にか私の家に着いた。


「ありがとう、稲田君。じゃあね」

「うん」

稲田君はうなずいてから、何かを考えるように突っ立っている。


「未央ちゃん」

稲田君は急に口を開いた。


「俺、2人のそばにいてい?」

稲田君は深刻な顔で、私を見つめる。


「全然、いいよ。ていうか、帰り道が楽しくなって、うれしい」

私は笑顔で言った。


「そっか! ありがとう!」

そしたら、稲田君はとびっきりの笑顔になった。

そして、元気に手を振って帰っていった。