私たちは、校門の前に行った。


「おっ、裕典!」

「久しぶりだな」

その仲間だったっていう男の子は、不良と思えない子どものような笑顔を見せる。


「久しぶり! ……で、隣のが、噂の女?」

その人は、葉山君につぶやくようにしつつ、小指を立てた。


「あぁ、まあな」

「へー?」

私に視線を移すと、舐めるように見る。


うわ、なんか、品定めされてる感じ……。


「あっ。俺、稲田大地! よろしく!」

「あ、うん。こっちこそ……」

稲田君って言うんだ。