「はい、葉山君。お弁当」 昼休み、いつもの屋上で、葉山君にお弁当を渡す。 「マジに作ってきたんだ?」 「うん。そもそも、葉山君、楽しみにしてたじゃん」 「してねェし!」 「そーやって、ムキになってるとこがあやしー」 「……っ、う、うっせェな!」 葉山君は顔を赤くしながら、怒った。 ……勝ったね、うん。 まあ、これ以上、からかうのもかわいそうだから、カンベンしてあげよう。 私は葉山君に勝てたことに、なんだか優越感をいだいた。