隣の席のオオカミ!【完】

 ──裕典side.


『俺とかけをしよう』

アイツはいきなり、オレの前から現れた。


『桐谷を落とせるか』

アイツは平然と言ったんだ。


『桐谷未央が好きなんだろ』

アイツはオレをあざ笑うように、クールな顔で言った。


『俺が奪ってやると言ってるんだ』

アイツはいつまでも、オレを見ながら余裕の笑顔を見せていた。


これが、アイツが勝手に始めた『ゲーム』──。