後ろから私を追いかけてくる足音がした。



絶対雅翔だ。でも振り返りたくない。



もう知らないって思った瞬間に後ろからぎゅっと抱きしめられていた。



耳元であの低音ボイスがした。


「ごめんって。勝手に決めた俺が悪かった。でもな、俺さ、いつかプロの選手になったら、雪菜ちゃんも一緒にアメリカに連れて行きたいんだ。それで、向こうで結婚式あげよう。」






私は

「ふぇ…?結婚式って何よ…。訳わかんないって。」


と言った。


雅翔が私の目を見つめて

「俺と結婚してくれないかな…。」


そう言った。




私は、思わず頷いていた。




そして

「目、つぶってて。」



そう言われた。



私は言葉通り目をつぶった。


左手の薬指に冷たい感触があった。


何かな?もしかして…。



「目、開けていいよ。」


その声とともに目を開けると左手の薬指に指輪があった。