俺はカバンを握る手に力を込めた。 なんだこれ。 胸の奥がざわざわする。 バッ―――――――― 「えっ?ちょっと祐史?!」 俺は自分で気付く間もなく 妃のもとへかけつけていた。 「...芹澤......」 俺が妃奈の腕を掴むと 笑っていた西島の表情が 険悪な表情に変わった。 「ゆ、祐くん?!」 なんだ俺...。 なにやってんだよ。 こんな勢いまかせなこと...。