「「いってきまーす」」
お兄ちゃんと声が重なる。
「あれ、お兄ちゃんも大学?」
「妃奈を送りに行くに決まってんじゃん」
「すぐ近くだし、大丈夫だって言ってる...」
ガチャッ――――――――――――
向かいの家から
同じ学校の制服を着た男の子が出てきた。
ドキンッ─────
鼓動が大きくなる。
スゥッと息を吸う。
今日こそは...
絶対...。
「ゆ、祐くん!!」
彼の名前を呼ぶと、
冷たい眼差しであたしに振り向いた。
「おはようっ!今日も…いい天気だねっ」
「……。」
ツン。
はぁぁぁ...。
今日もダメかぁ...。



