いい…香り……。 気づいたときには、 あたしは 祐くんの腕の中にいた。 なんで……… 「祐…くん……??」 「中学の時も…ごめん。」 「……うん」 あたしは心地よい 腕の中で 祐くんの少し早い鼓動に 耳を澄ませながら 聞いた。 「挨拶。返せなくてごめん。」 「……うん」 「ごめん…ごめん…」 あたしを抱きしめる力が だんだん強くなってくる。 「ありがとう…祐くん」 「え…?」 祐くんはびっくりして あたしの顔を見た。