内気で人見知りの激しいあたしを、
無理矢理にでも
明るい方に連れていってくれた人。

優しくて…ほんとに、
大切な……


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玄関でローファーを履く。



あと1分...。


「あれ、妃奈まだ行かないの...って」

「えっ、ひゃあ!!!」

「ポニーテール可愛い~!!」


また抱きついてきた
お兄ちゃん。


もーやだぁ......



「離れてよっ!あ、もう行かなきゃ」


8時ピッタリ。



玄関の時計を見て

お兄ちゃんをパッと払いのける。



「あ、ちょっと待てよ妃奈、俺送るよ」

「いい、大丈夫。」

「冷たいなぁ妃奈は」



そんなことないけど...

苦笑いで扉を開いた。