まるで 最近のあたしの目は 蛇口のよう。 「祐くん……」 「なに…」 ────────え? トクン…トクン… 廊下側から聞こえる声に 身体が震える。 窓側をむいて うつ伏せになっているあたしは 余計に廊下側を向けないでいる。 近づいてくる足音…。 うそ……… あたしはぎゅっと 自分の腕を握りしめた。