「あーあと、忘れんなよ?お前だけじゃないってこと」
くしゃくしゃと
少し濡れたあたしの髪を乱す。
バカだな那月は。
そんなこと言って
どうなるかわかってんのかな?
「知ってるよ。あたしと那月は、失恋組だしね?」
「直でゆーなよな。俺意外とデリケートなんだから」
そう言って笑う那月に
キュンッと胸の奥が閉まる音がした。
あーあ、始まっちゃった。
「でもま、那月の事をどうしようもなく好きになっちゃう子だっているんだから。」
「...え?」
「早く立ち直んなさいよっ」
ペシっと上半身裸の那月肩を叩く。
あんたが好き。