「あの噂も全部、ちげーだろ」
―――――――え......?
その言葉に
あたしは那月を振り向いた。
「前に女子たちが騒いでんの聞いてさ。」
「......そう。でも、嘘じゃな」
「押しこめんな」
は......?
なに言ってんのよ...
そう思いながら
那月の真剣な目に吸い込まれそうになる。
鼓動が速くなる。
おかしい、おかしいよあたし。
那月なんて...那月の言うことなんて
「気持ち押しこめて、なにもかも失おうとすんなよ」
「......うるさいっ」
プールの水を
パシャンと叩くと
水がはねて思わず目を瞑る。
その瞬間、あたしの手首は
那月の大きな手にくるまれた。



