そんなの…

全部嘘なはずなのに


なんで留美ちゃんは
否定したりしないのかな…


そうだ、


プールに行って
話したときも、否定しようとしなかった。





絶対違うのに。






──────…





「ん~!終わった~!!」



午前の授業がおわって
前の席の律希は
気持ちよさそうに伸びをする。



あたしも鞄から
お弁当を取り出して

手を合わせて


「いただきま……あ」




食べるところだったけど



前にはぽつんとひとり
座って食べている
留美ちゃんがいて



「留美ちゃん!留美ちゃんも一緒に食べようよ!!」


だからあたしは
留美ちゃんを廊下に響くくらい
大きな声で呼んだ。