少し前までは
あいつのこと嫌いになれればって
そう思ってたのに。
やっぱり...止められなかった。
いつから...か。
妃を待っている間
俺は少し前の出来事を回想していた。
―――――――――――――...
―――――――...
小6の冬。
まだ鮮明に覚えてる。
俺は妃といつも通り
ランドセルを背負って下校した。
「祐くん...テスト、どうだった?」
泣きそうな声で
俺に尋ねる妃。
「満点。」
口角をあげてどや顔で妃を見た。
「そ...そうだよね。祐くん頭いいもんね...」
「妃は?」
そう聞くと
妃の肩はピクンと跳ねた。



