夏休みも明けて

あっという間に

9月が過ぎて

10月が過ぎて

11月が過ぎる。




―――――――...


12月24日。



俺は時計台のそばで
ジャケットのポケットに手を突っ込んで

妃を待つ。



クリスマスイヴに
デートだなんてありきたりだと思ったけど




妃に「クリスマス...デート...したいな」

なんて頼まれたら
断れるはずもない。




なぜか待ち合わせは
いつものように家の前じゃなくて

この日だけは
時計台の前がいいと妃は言いだした。