【完】冷たい彼は幼なじみ









「妃。」


「...ん?」


名前を呼ばれて
トクンと脈が鳴る。




「目、瞑って。」


「こ...こう?」


あたしは言われるままに
ゆっくりと目を瞑った。



その瞬間
そっと後ろから彼の体温を感じて


思わず目を開いてしまった。



「えっ...」

「いいから黙って聞いて」


あたしはなんの抵抗もできなくて

そのまま祐くんの腕の中にくるまった。



後ろから抱きしめられる感覚は初めてで


ドキドキが止まらなかった。