けど負けないもん
「見たくて見てたわけじゃないよっ」
「じゃあ隠れたりすんな。」
久々に話せたと思ったのに
怒られてるなんて…。
「あとあれ。朝の挨拶とかやめろ。」
「なんで???」
挨拶くらい…
幼なじみなんだから。
「迷惑。」
─────っ。
「もう話しかけんなって、言ったよな俺。」
「なんで…」
「留美も不安がるし、もうやめろ」
“留美”…か……。
『妃ーっ!』─────
祐くんは
そう呼んで、いつでも
明るいとこに連れてってくれた。
けど…いまは…。
あたしの存在は
祐くんの中からもう
ほとんど消えてるのかな。