【完】冷たい彼は幼なじみ






『俺もいるから安心しろ。怖くないから』


その言葉にあたしは強くうなずいて
ゆっくりと忍び足で玄関まで向かう。



って...あたしこんな格好。



もう一回戻って
お母さんに気付かれるわけにもいかないし...


しょうがないか...。




ガチャッ。


扉を開くと
あたしの家の塀に体を預けている祐くんの姿。



かっこよすぎだよ...。




「祐くんっ」

「あー...悪いな。起こして。」


ひっそりと祐くんのもとに駆け寄る。




「ううん...大丈夫だけど...どうしたの?」



辺りは真っ暗で
初めはなにも見えなかったけど

徐々に祐くんの顔も
鮮明に見えてくる。


まるで二人だけの空間を
作りだしているかのようだった。