あたしをこんなにも
想い続けてくれる人がいたなんて。
あたしが泣いてたときに
助けてくれたのは、那月くん。
あたしに大切な気持ちを
気付かせてくれたのも、那月くん。
だけどあたしが
心から愛している人は
那月くんではなかった。
「ま。芹澤に飽きたら、いつでも来いよな」
そういうと
那月くんは
伝票を取ってレジまで向かおうとした。
「あ...お金っ」
「いいって。これくらい...だってきっと、最後だろ?こうゆうの」
飽きたら
なんて言っていたのに
あたしの不安なんか
どっかへすぐ飛ばしてくれる。
「...ありがとう。那月くん」
「じゃーな。芹澤のお姫様♪」
ドキュン。
遊びのように
手の銃で打たれて
身動きが取れなくなる。
お姫様...かぁ...。
しばらくあたしは
そこを動けなかった。



