ふぅー...。 蒸し暑い空気の中で 深呼吸をする。 それだけで汗が噴き出してきそう。 足首まであるロングスカートのほこりを払って あたしはファミレスの中に入った。 さっき着いたって連絡があったから もう中に那月くんがいるんだよね。 入口の扉が開くと 愉快な機械音が聞こえてきて それに反応して店員さんがやってくる。 「いらっしゃいませ」 「あ、あのたぶん中に...」 「妃奈っ!」 するとレジからそう離れていないところに 那月くんは座っていて、 あたしに手を挙げて迎えてくれた。