目を瞑って
幸せに浸っていると
祐くんの低い声が降ってきた。
「...え?」
余裕...?
あたしは体を少し離して
20センチくらい差のある祐くんを見上げる。
「お前...今の格好自覚してんの?」
「......っ!!!!!」
その言葉に
はっとして地面に落ちているパーカーを拾い上げて
それを正面に持ってきて
盾のようにした。
「それ着て行くぞ。つーかもう脱ぐな」
「え?だってそれじゃあ泳げな」
「あぁ~っ...だからぁ...」
そう言って祐くんは
自分の頭を左手で抑えて
ため息をついた。
そのあとであたしの腕を
右手で掴んで
触れるだけのキスをあたしにした。



