留美ちゃんは あたしが家に向かってる間に 反対方向へ帰ったみたい。 おかげでこの 泣き顔を見られなくてすむ。 あたしもがんばろう、 祐くんに笑ってもらえるように。 昔みたいな、 幼なじみに戻りたいよ。 ガチャ──────── 「っ……?!!!」 家の扉を開いた途端、 あたしの手は誰かに捕まれて、 口を塞がれながら家の外に連れ出された。 そして気づいたら あたしの両腕は塀に固定されてて、 目の前には 最近ろくに目も合わせていない 祐くんの顔があった。