「律希ちゃーんっ!」
―――――――――え?
少し遠くから手を振りながら
走ってくるシルエットを見て
あたしは開いた口が塞がらない。
「あー...そっか。ごめん、言うの忘れてた。」
あたしの様子を見て
律希は頭を抱えて謝る。
「なな、なんで留美ちゃんが?」
「それがさー...。芹澤たちに話してるときに
偶然留美が通りかかってさ、
あたしがプールに誘ってるの
聞いてたみたいで...。
『あたしも行きたいなぁ』って聞かなくて...」
そ...そうだよねぇ...。
留美ちゃんも、
祐くんの事...好きなんだもんね...。
「お待たせっ」



