【完】冷たい彼は幼なじみ







この前は
隣にも並ぶことのなかった二人が

こんな風に勉強してるなんて

なんだか嬉しくて顔が綻ぶ。




「妃。」

「...へ?」



いきなり目の前で名前を呼ばれて
情けない声を出す。


「かか、顔近いよ祐く」

「ここ違う。」

「.........え?」



鼻先があたりそうなくらい
顔が近付いてきて、

一人で顔をほてらせていると


祐くんの視線はあたしの解答に注がれていた。




は、恥ずかしい...


あたしったらなに想像して...。




「なんか...期待してた?」



フッと意地悪に笑う祐くんは
再びあたしに目線を合わせる。



「~~っ...」



まるで魔法でもかけられたように

この瞬間だけ
息が上手にできなくなる。



ドキドキして死にそう。