「ねぇ。西島那月と...なんかあった?」
那月くんと祐くんが
用意をしに教室に戻っている間、
律希はあたしに尋ねた。
「...なんか...って?」
「だって、西島くん、妃奈のこといつの間にか呼び捨てになってたし。仲良くなってたみたいだから」
「あのね、あたし那月くんに...」
告白されたの。
なんて言えるはずもなく
黙っていると
祐くんと那月くんがあたしたちの教室に来て
何事もなく勉強会が始まった。
「テスト終わったら、色々聞かせてよ」
「うん。」
律希と小さな声でそう約束した。
「わっかんねー...」
「ここはこの公式。さっき言っただろ」
「覚えらんねーよそんな長い公式...」
「いいから覚える。」
すごい...なんか
本当に先生と生徒みたい。
あたしはペンを止めて
二人の様子に見入ってしまった。



