【完】冷たい彼は幼なじみ






今思うと、

志望動機が不純すぎるよね...。


ようやく支度を終えて
律希に帰ろうと言った矢先

教室の扉からひょっこり、


誰かが顔を出した。


「ひーめな。」


「那月くんっ!」



隣の律希は
那月くんの姿を見て

すごく嫌そうな顔をする。



そういえば律希に
那月くんの事はなにも言ってなかったな...。




「今から暇?」

「え...?」

「一緒に数学、勉強しない?」



照れくさいというように
鼻を少し触りながら彼はそう言った。






「バカ同士でどうやって勉強すんだよ。」