【完】冷たい彼は幼なじみ






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「妃奈、帰ろっ」

「うんっ!ちょっと待って、今支度するから」


先に帰る支度を終えた律希は
あたしの方まで来て、カバンの中をのぞいた。




「げ。そんなに持って帰るの?」

「だって、テストまであと2日だし...詰められるものは全部詰めるっ」



当然のように分厚い教科書や資料集をバンバン詰め込むあたしに対して


珍しいものを見るように
口をあけている律希。




「あたしも持って帰った方がいいかな...?」

「律希は元がいいんだから大丈夫だよっ」




律希はこの進学校でも
確実に学年20位以内には入っている。


それに比べてあたしは
いくら勉強しても、平均以下。



「まぁ...妃奈は芹澤をおっかけて入ったようなもんだしね」

「もうっ、律希ってば!」



たしかに、

何ヶ月か前のあたしは
祐くんと話せるような関係に戻りたくて


この学校に入ったんだっけ。