【完】冷たい彼は幼なじみ




次の日。

あたしの家の前には
祐くんの姿があって

そこで衝撃の言葉を聞いた。



「俺、留美と別れたから。」

「……え??」

「てゆーか俺お前に話が……って聞いてる??」

「………え??」


あたしは今の言葉を
理解することで精一杯で

だけど、昨日の留美ちゃんの様子を見たら
それは嘘じゃないんだってことが分かって……



とりあえず
平常心ではいられなかった。


祐くんに恋人が居なくなって
うれしいはずなのに

なぜかぽっかりとあいた
心の中の穴がふさがらない。



「ま…いっか、気持ちに整理ついたら話すから。」


歩きながら
あたしの頭にポンポンと手を乗せる。

そんな小さな行為が
なぜか恥ずかしくなって



でも手を離して欲しくない気持ちとも入り混ざって…



こんな気持ち
前からもっていたはずなのに


今の祐くんには
彼女が居ないんだと思うだけで
変な感覚に陥る。




まるで

このまま


あたしが…独占したい




とでもいうような。そんな感覚。