「ひーめな。はよ。」


ポーッと祐くんのことばかり考えていると

後ろから背中を
ポンとたたかれた。


「あ、律希っ。おはよう」

なんだか昨日は色々あり過ぎたから

律希と会うのが
久々に感じてしまう。



「今日芹澤は?」

「それがね…」

「え、なに?もしかしておいてかれた?!」


眉間にしわを寄せて
少し怒った様子の律希。



「うーん…」

でも、昨日はまた明日ね
っていったら
頷いてくれたし…



「何か大事な用事があったんだと思う。きっと。」

「そっか…。って、時間やばい!走るよ妃奈!!!」


ケータイの待ち受けを開いて
目を見開いて慌てる律希に

あたしの心もドキンッと音を立てる。



遅刻なんてしたら
上田先生からなんて言われるか…。