あたしが上田先生の…??
「ぷっ…」
思わず吹き出してしまうくらい
そんなのあり得ないこと。
「上田先生のお気に入りは数学ができる、律希みたいな子だよ絶対。」
「まったく、ほんとあんたは鈍いよね」
・・・・・・?
「周りの男の視線にすら気付かないし」
「…なに?それ。」
「ほら来た。」
ん?
あたしは律希の目線を追って、
後ろを振り向いた。
そこには
知らない男の子が一人。
立っていた。
「鈴木さん…??」
「…あたし?」
「あの。メアド、教えてくんない?」
ツンツンした頭を触りながら
その男の子はあたしに言った。
放課後でもう
ほとんど教室には誰もいないから
あたしたちの会話がやけに響く。
「赤外線でいいですか?」



