【完】冷たい彼は幼なじみ



「───…」

こんなとこにいるわけねーよな…


けど一応
扉に手をかける。


俺……もう
歯止め…利かなくなってんのな。

ふと悲しい笑みがこぼれる。


少しは振り回されてやるか。



ガラッ────

思い伏せながら
重たい扉を開く。


「……上田…??」


目の前には
イスにうなだれて
あくびをかましている上田の姿。


「よぉ芹澤」

俺に気づいて
ニヤリと口角を持ち上げる。


そんなの無視して
妃がいないことを確認する。


……?


教室を見渡すと
上田の座っているイスから
ほんの少し離れた机の上に


見慣れた筆箱がおいてあった。




「…あれ……」




間違いない。
この筆箱は中学の時に
妃が使ってたやつ。