「......帰る。」 祐くんはひとりで 自分の家に向かって歩く。 気付けばもう あたしたちの家は目の前だった。 「ゆ、祐くん!!!」 勝手に声が出て 祐くんの名前を呼ぶ。 その声に 祐くんは肩をビクッとさせて立ち止まった。 「また...また明日ね。」 「...ん。」 顔はそむけたままだし 愛想のない返事。 だけどあたしは 笑顔がこぼれるくらい 嬉しかった。