そういえば
那月くんに留美ちゃんの噂のこと

聞こうと思ってたのに…



聞けなかったな…。




もし、留美ちゃんが
ほんとに
優越感だけのために

祐くんとつき合っているのだとしたら、、、



…あたしは、どうするんだろう……





「べつにいいよ」

「え?」

「誤解されても」


え?………

「だからほら、手。」


左手をさしのべて
顔だけあたしから背ける祐くん。


なんでだろ…
祐くんの耳…赤い…。



あたしの頬にも
まるでその赤いのが伝染したみたいに

熱が飛ぶ。


「…うん」



ためらいながらも

嬉しさに戸惑いながら
あたしは祐くんの手を握った。