「...わーったよ...やりゃいんだろ」


那月くんは観念したように
またペンを紙の上で滑らせる。



「鈴木、お前は次の問題。」

「...はい」


はぁぁ...。

わかりやすいのはいいんだけど
スパルタで
休む暇もなくて

頭パンクしそう...。



「お前は元がいいから、やりゃできんだよ」

「えっ...」


あたしに顔をぐいっと近づけて
黒ぶち眼鏡を光らせながら

いままで見たことのない笑顔を見せた先生。



「せ、せんせい近...」

「顔赤いぞ?」


そ、それは
先生の顔が近すぎるからです!!!



いくら先生でも
男の人には変わりないんだし...



「...ちかい...です...せんせ...」

「熱でもあんのか?」


うわぁぁぁぁ...!!!