「...うん…これから数学準備室で」
「鈴木、お前俺のこと舐めてんのか??」
げ──────。
いつの間にか
あたしと那月くんの隣には
上田先生が竹刀を持って
立っていた。
うわっ、もう時間五分過ぎてる…。
「俺との約束を破って、男とイチャこいてんのか??いい度胸だなー?」
「うっ…ごめんなさい先生!!すぐ用意しますっ」
別にイチャついてたわけでは
ないんだけどなぁ…
と思いながら
バックを持って廊下にでる。
「妃奈…その補習って、こいつと…二人?」
「……うん…」
ほんとに
個別補習なんて
どうかしてるよ上田先生…。
「せんせー。俺も補習やらせてくんない?」
「あ??」
上田先生は
竹刀を肩の上に乗せながら
那月くんの方に振り向いた。
「俺、数学の成績まぢやばいんだわ。てことでよろしくー♪」
おお…すごい那月くん…。
上田先生に
そんな軽く交渉できるなんて…。



