【完】冷たい彼は幼なじみ





照れてるの…かな?


「あんな…大胆なことしちゃったし。」

「あ……」


ふと水族館でのことが浮かんだ。


そうすると
あたしも那月くんの熱が移ったみたいに

顔が火照る。



「ごめんな…。けど、理性保てなかった。妃奈が…可愛すぎて。」



可愛い

それだけなのに、
胸がキュウっとなって
高鳴る。


「あたしなんて…ぜんぜん…」

「少しは自覚しろ。」

「で、でもっ、那月くんを嫌いになることこそ…あたしが数学で満点取るくらいあり得ないっ!!!!」


コクンコクンと
頷きながら話すあたしに

那月くんは笑って言った。



「なに?妃奈も数学ダメなの?」

「もー全然わからんないよぉ…。それにこれから補習だし…」

「は??補習??」


那月くんは急に
眉間にしわを寄せて

真剣な顔になった。